(台北中央社)演劇ユニット「亜細亜の骨」が手掛ける日台コラボレーションの舞台「ミラクルライフ歌舞伎町」(奇蹟的歌舞伎町)が今月、中部・彰化と北部・桃園の各芸術祭で上演される。戦後の日本で、新宿・歌舞伎町の復興を担った台湾華僑の物語を届ける。
原作は台湾の作家、リン・モンホワン(林孟寰)さん。演出を担当する亜細亜の骨の山崎理恵子さんと共に歌舞伎町で実地調査や台湾華僑へのインタビューを行い、完成させた。歌舞伎町の発展に関わった台湾華僑の功績を紹介する書籍「台湾人の歌舞伎町――新宿、もうひとつの戦後史」から着想を得た。歌舞伎町にある架空の高齢者施設「ミラクルライフ歌舞伎町」を舞台に、そこで暮らす南部・嘉義出身のトランスジェンダー女性の物語を描く。日台のキャスト5人が30人以上の役柄を演じ分ける。
東京では昨年10月に上演された。台湾の上演に当たっては、時代背景を説明するシーンを新たに書き下ろし、台湾の観客が理解しやすいようにしたという。台湾公演を前に、嘉義で稽古が行われている。
作品は彰化・員林の「彰化劇場芸術節」と桃園市の「桃園鉄玫瑰芸術節」からそれぞれ招待された。山崎さんは「台湾人の物語を台湾で上演できる機会をいただき、とても光栄」だとし、台湾・嘉義での滞在制作で台湾の中の日本を感じながら、台湾の観客に日本での台湾華僑の物語を伝えられればとコメントを寄せた。
12、13日に彰化県の員林演芸庁で、19、20日に桃園市の米倉劇場で上演される。
(編集:名切千絵)