(台南中央社)南部・台南市の成功大学は9日、熊本県の熊本高等専門学校(高専)と半導体分野での人材育成に向けた協力覚書を交わした。成功大によれば、双方は今後、技術関連の教育課程や研究資源、熊本の現地企業のニーズに合致する能力を持つ人材の育成に関して協力する。
半導体サプライチェーン(供給網)の発展を重要視する台湾。成功大は半導体産業におけるハイレベルな人材を育成しようと、2021年に台湾初の半導体関連学部「知恵半導体及永続製造学院」(スマート半導体・持続可能な製造学部)を新たに設立した。
調印式は熊本高専で行われ、同学部の蘇炎坤学部長と同高専の高松洋校長が覚書にそれぞれ署名した。蘇氏は今回の提携をきっかけに、学術や研究分野が進展することに期待を示し、学生や教員の交流拡大を願った。高松氏は両校の研究、教育交流が長期にわたって続いていけばと話した。
成功大が同日発表した報道資料によれば、覚書には双方の研究交流や交換留学、短期研修の実施などが盛り込まれている。
熊本県には半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が新工場を建設中。同社は来年末までに新工場で生産を開始し、回路線幅12ナノ(ナノは10億分の1)メートル、16ナノ、22ナノ、28ナノ品を主に生産する予定だとしている。