(花蓮中央社)日本統治時代に皇室に献上されたコメ「吉野1号」が、今も東部・花蓮の農民に受け継がれている。吉野1号が栽培された「献穀田」があった花蓮区農業改良場で27日、関連のイベントが開かれた。イベント後には水田で豊作を祈る儀式が執り行われ、台湾の農業を守り続けていく決意が示された。
日本統治時代、吉野と呼ばれた花蓮県吉安郷。同改良場の専門家、宣大平さんによれば、吉野1号は1919(大正8)年、開発に成功した。台湾で最も早期に開発されたジャポニカ米の一つとされる。皇室に献上するためのコメを育てる献穀田が28(昭和3)年、同地に設けられた。
陳吉仲(ちんきちちゅう)農業委員会主任委員(農水相に相当)は27日、イベントの参加者たちが見守る中、同地が献穀田だったことを示す看板に署名。100年の歴史を持つ吉野1号には歴史や文化が受け継がれていると語った。