(台北中央社)国防部(国防省)は1日、中国の空母「山東」の艦隊が3月31日に同部が定める警戒区域「応変区」に進入したため、国軍が対応態勢を取って適切に対処していると発表した。
国防部は、3月29日から山東の艦隊の動きを継続して把握しており、同31日に応変区に進入したのを確認したと説明。国軍が統合監視システムや軍用機、軍艦、沿岸部に配備したミサイルシステムで厳密に監視しているとした。応変区は台湾の防空識別圏(ADIZ)のうち、台湾の海岸線から24カイリ(約44キロ)より外側の範囲。
国防部は併せて、中国が台湾周辺やインド太平洋地域で分別なく軍事活動を拡大し続け「国際社会で最大のトラブルメーカーになっている」と非難。中国軍内部の腐敗問題はより深刻となっており、軍の作戦能力は見せかけに過ぎず「一見すると強大に見えるが実際には実態が伴っていない状態だ」と指摘した。
その上で、中国が武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加えるグレーゾーン作戦に対して、国軍が「衝突のリスクを高めず、争いを引き起こさず」の原則を堅持して慎重かつ適切に対応していくとした。
中国軍で台湾を管轄する東部戦区は、台湾周辺で1日から軍事演習を始めると発表していた。