(台北中央社)憲兵や国防部(国防省)資通電軍(サイバー軍)の軍人ら4人が軍在籍中に、中国の工作員に軍の機密情報を提供して対価を得ていたなどとして、国家安全法違反の罪に問われた裁判で、台湾台北地方法院(地裁)は26日、4人にそれぞれ懲役5年10月から7年の判決を言い渡した。
4人のうち3人は総統府の警備に当たる憲兵211営に所属していた。このうち2人と資通電軍の軍人はすでに退役し、残る1人は職務停止中。
検察によると、憲兵211営の中士(軍曹、階級は退役または職務停止時)と資通電軍の上等兵は、現在指名手配中の別の男が紹介した中国の工作員に抱き込まれた。2022年4月から、上等兵が所属機関の機密情報を携帯電話で撮影し、中士にデータを送信した。中士はこのデータや、自身で撮影した機密情報を中国側に転送した。
中士が配置換えとなった後は、別の中士が機密情報を撮影して中国側に送った。この中士が退役すると、同じ機関にいた下士(伍長)が誘われ、同様の手口に及んだ。4人はそれぞれ26万5900台湾元(約121万円)から66万4100元(約302万円)の報酬を受け取っていた。
国防部に内部通報があり、捜査に至った。