(台北中央社)南アフリカ政府が中華民国(台湾)の駐南アフリカ共和国台北連絡代表処(大使館に相当)に対し、首都プレトリアからの期限付きでの退去を再び求めていることが分かった。外交部(外務省)は2日夜、台湾に対する中国の圧力が強まっていることの表れだとし、対等・尊厳の原則の下で南アフリカ政府と意思疎通を継続していく姿勢を示した。
南アフリカは1997年末に中華民国と外交関係を断絶し、98年元日に中華人民共和国と国交を樹立した。だが台湾と南アフリカは98年1月、窓口機関を相互に設置し、実質的な関係を継続させてきた。
南アフリカは昨年10月にも同月いっぱいでの代表処の首都退去を台湾に求めていた。外交部によれば、先月下旬、代表処に再び南アフリカ政府からの書簡が届き、3月末までの首都退去を要求された。代表処を格下げして「貿易弁事処」に改称することも求められたという。外交部は南アフリカの駐台代表(大使に相当)を呼び出し、政府の厳正な関心を伝えた。
外交部は、同部として昨年10月以降、対等・尊厳の原則の下で外交ルートを通じて南アフリカ政府と意思疎通を行い、今後の2者間関係への考え方を理解するとともに、一方的な現状変更を決して受け入れない台湾の立場を固く守ってきたと説明。南アフリカ政府が一方的に2者間取り決めに違反したことを受け入れない台湾の立場は不変だと強調し、今後は南アフリカ政府の返答や台湾の関連の方針に基づき、対応を決定するとした。また、現在20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の議長国を務める南アフリカ政府に対し、双方が共通認識を得られるまでは台湾の窓口機関に強制的な手段をとったり、窓口機関の運営や業務を妨害し得る行動をとったりしないよう改めて厳正に呼びかけた。