(新北中央社)昨年9月、台湾北部周辺の海域にゴムボートで進入した中国人の男について、台湾新北地方検察署(地検)が台湾地区・大陸地区人民関係条例違反などで起訴したことが20日までに分かった。
検察、警察の調査や起訴状によれば、男は同月9日午前9時ごろ、中国浙江省台州市の海岸を出港。インターネットに接続せずに使える携帯電話の地図機能を利用し、同14日午前6時ごろ、北部・新北市林口区沖の海域に進入した。ボートが座礁したため、男は同14分ごろ119番通報し、「中国から密航してきた」「泳いできたのではなくボートだ」など説明した。
駆けつけた消防は海岸から約100メートルの地点でゴムボートを発見し、日焼けした男を救助した。その際、男は「台湾の自由な世界にあこがれ、ゴムボートで来た」と話したという。
男の携帯電話のアクセス履歴を調べたところ、同月初めにゴムボートやソーラー充電器などの購入記録があった他、端末には台湾付近の海域の風の状況を示す図なども保存されていた。
台湾地区・大陸地区人民関係条例では、台湾の主務機関の許可を得ていない場合、大陸地区の住民は台湾に進入してはならないと定められている。男は許可なしで台湾に進入したことを認めている。