(台北中央社)中国人民解放軍東部戦区が14日、台湾を取り囲む形で軍事演習を行うと発表したのを受け、国防部(国防省)や外交部(外務省)、台湾で対中政策を担う大陸委員会は相次いで中国への非難を表明した。
▽ 国防部「挑発行為を強く非難」
国防部は「このような理性的でない挑発行為に強い非難を表明する」との声明を出した。規定に基づき適切に兵力を派遣して対応したとし、実際の行動で自由、民主主義を守り、中華民国(台湾)の主権を守るとした。
▽ 外交部「台湾の善意を無視」
外交部は「中国がわれわれの善意を無視し、挑発行動で台湾海峡と地域の緊張を高めたことを強く非難する」と表明。頼清徳(らいせいとく)総統が10日の中華民国国慶日(国家の日)の演説で中国に改めて善意を示し、台湾と共に地域の平和や安全、繁栄を守る責任を負うよう訴えたことに言及した上で、中国に対し、地域の平和と安定を破壊するトラブルメーカーにならないよう呼びかけた。
▽ 大陸委員会「全世界の民主主義と平和への挑発」
大陸委員会は軍事演習について、「地域の平和と安定、両岸(台湾と中国)関係を破壊する」ものだとして「強い非難」を表明した。同委は「中華民国の存在は客観的に否定できない事実」だとし、中国共産党が武力による台湾侵攻を諦めず、台湾に対して対抗的に軍事演習を開始したことは「台湾海峡やインド太平洋地域の安全、ひいては全世界の民主主義や平和に対する公然たる挑発だ」と強調した。