(台北中央社)台湾のエバーグリーン(長栄)グループ傘下のホテルチェーン「エバーグリーン・ローレル・ホテル」(長栄桂冠酒店)がパリで運営する店舗が中国国旗「五星旗」を館内で掲示しなかったことを発端に、中国で系列ホテルのボイコット運動が展開されている。同グループは23日、騒動を引き起こしたことを謝罪し、台湾独立に反対するなどと表明するコメントを出した。外交部(外務省)はこれを受け24日、中国を批判する声明を発表した。
騒動は中国のインフルエンサーが13日にインターネット上で公開した動画が発端となった。同グループは24日の声明で「一つの中国」を巡る「92年コンセンサス」と「台湾独立反対」を認める立場を強調した。
外交部は、中国政府が長年にわたってボイコットや制裁、税務調査などの手段で、各国企業が中国の政治的目的に服従するよう強制してきたと批判。近年ではいわゆる「小粉紅」と呼ばれる中国の比較的若い世代の愛国主義者にインターネット上で騒動を起こすよう働きかけている他、各地の協力者を通じて、相手方に圧力や恐怖を与えて妥協や譲歩を強いようとしているとした。
さらに、グローバル企業だけでなく世界各国の各界の人々が中国の経済的脅迫の対象になりうると指摘。「小粉紅」のインターネット上での行動を通じた中国の行いが台湾や海外の国々に対する認知戦の一環であることは明らかであり、これらは国際社会の強い反感を買い、自身の国際的なイメージをさらに悪化させるだけだと強調した。
同部は中国が経済的手段で政治操作をしたり、国際的なビジネス行為に影響を与えたりしていることを「強く非難する」とした上で、国際社会に対し、中国が至る所で認知戦を仕掛けていることを認識し、中国によるさまざまな脅迫行為に共同で対抗するよう呼びかけた。
台湾で対中政策を担当する大陸委員会も24日に声明を発表。中国共産党が民族主義を利用し、ネットユーザーを扇動して台湾企業をいじめ、抑圧し、経済的に制裁していることに「厳正に抗議し、非難する」とした。