(台北中央社)国防部(国防省)は21日、中国軍機が北部・基隆から41カイリ(約76キロ)の海域上空を飛行していたと明らかにした。一部からは台北市の総統府まで4~5分の距離であるとして総統の身の安全を危惧する声が上がったが、邱国正(きゅうこくせい)国防部長(国防相)は24日、国軍が監視を行っていることを強調し、監視の目的はこのような事態の発生を防ぐためだと語った。
国防部よれば、基隆から41カイリの位置を飛行したのは、台湾海峡の暗黙ライン「中間線」を越えた中国軍機。元空軍副司令の張延廷氏は、ここから総統府まで飛行された場合、国軍は早期警戒する時間もないとし、一部メディアが総統の身の安全に対する懸念を指摘した。
立法院(国会)で外交・国防委員会出席前に報道陣の取材を受けた邱部長は、われわれはこのようなことは望まないとし、国軍が監視で事態の発生を防止していると語った。
また19日から26日まで実施しているコンピューターを使った図上演習中の22日夕に中国の海洋調査船「向陽紅6」が東部・花蓮沖を南から北へ航行したことについては、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)や国軍が状況を把握し対応したと述べた。
台湾を訪問した米下院のマーク・アルフォード議員が23日、外交部(外務省)による歓迎会前に報道陣の取材を受け、米国は台湾に対する武器の引き渡しを加速すべきだと語ったことについては、米国による台湾への支援が遅れずに加速することは良いことだとの認識を示した。