(北京、台北中央社)中国を訪問中の馬英九(ばえいきゅう)前総統は4日、漢民族の祖先とされる伝説上の帝王、黄帝の陵墓(陝西省)で行われた祭事に出席した。自ら訪問したのは、伝統的な中華文化にある「先祖を尊ぶ」という考え方を台湾人が重視していることを示したいからだと述べた。
この日は中華圏で墓参りをする日とされている清明節に当たる。馬氏はこれまでに台湾で行われた黄帝を祭る行事に複数回参加したことがあるものの、陵墓を訪れたのは初めて。中国の対台湾政策担当機関、国務院台湾事務弁公室(国台弁)のトップを務める宋濤主任が付き添った。
馬氏は、大部分の台湾人は中華文化と民族アイデンティティーに対し、確固たる信念を持っていると持論を展開。訪問はより多くの人に民族文化を伝承することの重要性を知ってもらいたいからでもあると述べた。
陝西省の趙剛省長は祭文で、香港とマカオは一国二制度であり、「同舟共済」(同じ船に乗り共に助け合う)と表現。台湾について、心がつながっていて同じ祖先を持っているとし、両岸(台湾と中国)の統一は必然だとの考えを示した。