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台湾の観光船を中国が強制検査 離島・金門の沖合で 閣僚が遺憾表明

2024/02/20 15:54
中国海警局の臨検を受けた台湾の観光船(資料、facebook.com/KINGXIA.CRUISEから)
中国海警局の臨検を受けた台湾の観光船(資料、facebook.com/KINGXIA.CRUISEから)

(金門、台北中央社)中国福建省に近い離島・金門周辺の海域で19日午後、中華民国(台湾)籍の観光船が中国海警局から強制的に臨検を受けた。観光船は検査を受けた後、現場に急行した海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)の船に付き添われて金門に戻った。同委員会の管碧玲(かんへきれい)主任委員(閣僚)は20日、遺憾の意を示した。

同署が19日夜に発表した報道資料によれば、観光船は同日午後3時33分、乗客23人と台湾籍の船員11人を乗せて金門から出港。周辺海域を案内しながら巡航していたところ、海警局の職員6人が検査のために観光船に乗り込んできた。職員は航行計画や船舶証書などを確認した後、船を離れた。

同署は午後4時47分、レーダーや赤外線カメラシステムによって、金門島北西部烏沙角の北西2.8カイリ(約5キロ)で海警局の船2隻が観光船に接舷(せつげん)し、乗船して検査を実施しているのを把握。同署の船を直ちに現場に向かわせた。烏沙角の沖合は浅瀬が多いため、観光船は中国寄りを航行していた。

同署は、中国側も同様の観光船を金門周辺で運航しているとし、故意でなく法に触れたり、誤って台湾側の水域に進入したりした船舶に対しては、善意に基づき、直ちに退去するよう音声で指示し、立ち入り検査は実施していないと説明。中国に対し、平和や理性にのっとり、海域の安寧を共に守るよう呼びかけた。

管氏は20日、報道陣の取材に対し、観光船に違法の疑いは全くないと説明。海警局の立ち入り検査は人々の感情を傷つけ、パニックを生み、人々の利益にも合致しないと指摘した。また、観光船は中国寄りの位置にいたとはいえ、台湾海峡の平和や両岸(台湾と中国)の善意に基づき、中国側の行為に遺憾の意を表明すると述べた。

(蔡孟妤、張已廉、陳俊華/編集:田中宏樹)

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