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中国軍艦が台湾周辺に常時展開 学者「海域制圧の既成事実化が狙い」/台湾

2024/01/30 17:22
中国空母「山東」(奥)を監視する国軍兵士(昨年4月5日撮影、国防部提供)
中国空母「山東」(奥)を監視する国軍兵士(昨年4月5日撮影、国防部提供)

(台北中央社)2022年8月にペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問して以降、中国は軍艦を台湾周辺海域に常時展開させている。専門家は、中国には海域の制圧を既成事実化し、旗を見せる目的を達成する狙いがあるとの見方を示す。

読売新聞は29日付で、複数の日本政府関係者の話として、中国が台湾周辺の四方に軍艦4隻を常時展開させていると報じた。報道によれば、4隻は日本最西端の沖縄県与那国島周辺、与那国島とフィリピンの間、台湾の南西、台湾の北の海域にそれぞれ1隻ずつ配置されているという。

報道を受け、国防部(国防省)は29日、共産党軍の演習の動向は統合監視手段を用いて厳密に把握し、国家の安全を確保しているとし、国軍は「戦争に備えるが戦いを求めず、戦いには応じて逃避しない」との態度で力を合わせて戦備を整え、防衛作戦の能力を深化させていくとコメントした。

元海軍艦隊戦隊長でシンクタンク、国防安全研究院で助理研究員(リサーチアシスタント)を務める江炘杓氏は、日本政府が釣魚台(日本名:尖閣諸島)の3島を国有化して以降、中国が周辺海域に海警局の船を2、3隻常時配置していることに触れ、同様の手段を台湾海峡周辺でも取っていると指摘。中国は所有する艦船が多く、異なる艦船を特定の区域に代わる代わる配置できるものの、台湾にとっては「1対1」での監視は海軍を疲弊させることにつながり、これらへの対処が直面すべき課題になっているとした。

淡江大学国際関係・戦略研究所の林穎佑助理教授(助教)は、台湾周辺の四方への軍艦の常備展開には台湾海峡の戦場に支援に駆けつけようとする米国や日本、その他の同盟国に対して抑止効果を発揮する狙いがあると分析する。また、中国にはこれらの海域を制圧しているという既成事実を作り上げ、主張を示す目的を達成する狙いがあるとの見方を示した。

国防安全研究院の蘇紫雲研究員兼国防戦略・資源研究所所長は、これらの海域への常時展開の最も重要な戦略的方向性は、中国沿岸の施設や早期警戒管制機では台湾を南北に貫く中央山脈に遮られて取得しにくい東部の情報を得ることにあると指摘する。電子信号を取得する一方で、潜水艦の通り道となるバシー海峡の水温や深度などの水文資料をつかみ、戦場管理を進める狙いもあると説明した。

(游凱翔/編集:名切千絵)

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