(台北中央社)今月27日から予定されている馬英九(ばえいきゅう)前総統の中国訪問を巡り、国家安全局の蔡明彦(さいめいげん)局長は22日、昨年10月の中国共産党第20回大会で改正された党規約に「台湾独立への反対」が明記されたのを念頭に、今年は一国二制度による台湾統一の方策の元年になるとし、馬氏の訪中には政治的意味があるとの考えを示した。その上で、中国に統一戦線工作の動きがあるかどうかに注意する必要があると指摘した。
立法院(国会)外交・国防委員会での野党・国民党、江啓臣(こうけいしん)立法委員(国会議員)への答弁。
蔡氏は馬氏の訪中に伴う中国の動きに警戒感を示しつつも、「馬氏は総統経験者としての身分を有するため、これらの問題には注意を向けるはずだ」と述べ、法律にかないさえすれば、同局は馬氏を尊重するとの姿勢を示した。
与党・民進党の羅致政(らちせい)立法委員は馬氏の訪中と蔡英文(さいえいぶん)総統の中米歴訪の日程が重なっていることを指摘し、中国には「台湾と中国は共にある」との見せかけの印象を形成する狙いがあるのではないかと質問。これに対して蔡氏は、その背後には政治的評価と計算が存在するとの見方を示した。
馬氏は27日から来月7日までの日程で中国を訪問。蔡総統は29日から来月7日までの日程でグアテマラとベリーズの中米2カ国を歴訪し、往路と復路ともに米国に立ち寄る。