(高雄中央社)台湾の元立法委員(国会議員)と海軍の元少将が、中国による統一工作の便宜を図ったとして、台湾高雄地方検察署(地検)による取り調べを受けている。台湾高雄地方法院(地裁)は今月5日、2人の保釈を決定したが、地検側が不服申し立てをし、台湾高等法院(高裁)高雄分院からの差し戻しを受けた同地裁は19日、勾留を続ける決定を出した。
疑惑を持たれているのは、羅志明元立法委員と夏復翔元海軍少将。地検の調べによると、羅氏は夏氏を誘い、2013~19年に元立法委員や元少将の身分を使って、国軍の特定階級・軍種の元将官を中国に招いて現地の組織と接触させ、中国への取り込みや組織化を図った疑いがある。
高雄地裁はこの日、報道資料を通じ、2人は取り調べに対して容疑を否認しているものの、これまでの証拠から国家安全法違反の疑いが強いと判断したと説明。人脈や経済状況などから海外への逃亡の可能性が高い他、事情を知る関係者と口裏合わせする恐れがあるとした。