(台北中央社)中国が台湾周辺海空域で実弾演習を実施すると発表したのを受け、国防部(国防省)は3日、臨時記者会見を開き、台湾の空域と海域を封鎖するのも同然で、台湾の主権を著しく損なうものだと厳しく非難した。
また、武力によって意見の食い違いを解決し、地域の平和と安定を損ねようとしている中国の覇権的な行動は中国の国際的イメージに寄与せず、台湾と中国の人々の感情を傷つけると批判した。
ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発し、中国はペロシ氏が台湾入りした2日深夜、4日正午から7日正午にかけて台湾の北部、北東部、北西部、東部、南部と南西部の6カ所海域で実弾演習を実施すると発表した。
同部によれば、一部エリアは中華民国(台湾)の領海またはその接続水域に侵入しており、国際航路の安全を脅かしている。同部は、中国の行動は国際秩序に挑戦する上、台湾海峡の現状を破壊し、地域の安全に危害を及ぼす非理性的な行動だと批判。国家の主権を守り、国の安全を損なういかなる行動も阻止し対抗策を講じる姿勢を見せている。
シンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所」のネイサン・ルーサー研究員は、台湾の主権が及ぶ海域で中国が実弾演習を行うことは、ここ数十年で最も挑発的な行為であり、国連が定義する侵略に該当するとの見解を示した。
中国の演習エリアのうち、北部・基隆沖と南部・高雄沖近くの計3カ所は台湾の領海と重なっている。