有機農業に携わり絶滅危惧種のタイワンヤマネコの生息地保全に力を入れる中部・苗栗県の農家が栽培したブンタンがシンガポールへ初めて輸出される。30日、重さ約5100キロに達するブンタン約1700箱のコンテナ積み込み作業が行われ、中秋節(今年は9月17日)までに到着する予定。
同県政府農業処によれば、県内のブンタン栽培面積は約400ヘクタールで、このうち県西部に位置する西湖郷産が100ヘクタールと、県全体の約4分の1を占めている。今回シンガポールへ輸出されるブンタンも郷内何軒かの農家が生産したもの。
10数年余り前から有機栽培に取り組んできた地元の農家で、張治栄さんと家栄さん兄弟が手掛けたものも中に含まれている。同県はタイワンヤマネコの重要な生息地でもあることから、2人は有機栽培の他、その生息地の保全にも力を入れており、政府からそれぞれの分野で認証を受けたことがある。
同処によると、2人が昨年、シンガポールで行われた農産・特産品の展示販売イベントに参加した際、2分野で認証を受けたことが地元の貿易業者から注目を集めたという。
積み込み作業に立ち会った同県の鍾東錦県長はより多くの外国の友人に県産果物のおいしさを味わってもらえるよう、今後より多くの良質な県産農産物を各国に輸出できればと期待を寄せた。