(イラストレーターCherngさん、SECONDさんインタビュー後編)前編はこちら:https://japan.cna.com.tw/search/201605200003.aspx?q=%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A2
♢2015年に日本デビュー
ライモとソウソウネコは2015年から日本で商品展開を開始。今年4月下旬には昨年7月以来となる来日イベントを東京で開催した。渋谷ロフトで実施したライブペインティングには日本各地や台湾、香港などから前回の倍となる約200人のファンが駆け付けた。今回は日本人の割合が増え、中には熊本地震の影響で航空会社のフライト状況が不安定な中、九州から一家揃って駆け付けたファンもいたという。
日本のマンガやキャラクターに以前から親しんでいたというチェンさん。日本進出の知らせを聞いた際は「興奮した一方で、自分のキャラクターに人気が出るか不安もありました」と当時の複雑な心境を告白。だが、不安とは裏腹に確実に人気は拡大している。「こんな成績を収められてうれしい。台湾ではライモは一気に人気を獲得しましたが、日本ではゆっくりと広めていければと思います」とさらなる発展に期待を示した。
2人が所属する華研国際音楽の担当者によると、現在は日本の有名企業とコラボレーション企画を話し合っている最中。キャラクターグッズのショップが勢揃いする東京駅地下街の「東京一番街」での出店など、ライモとソウソウネコの商品が日本のキャラクターとともに店頭に並ぶことが目標だという。
チェンさんの目標はライモのアニメーションを製作することだ。「小さい頃はマンガやアニメーションに影響を受けました。長い物語を作ってライモをアニメにしたいです」ストーリーはどうするのか。「自分ではまだ思いつきません。だから誰かに協力してもらえればと思います。でも、主には自分の意見を多く入れたいと考えています。日本でも多くの漫画家の作品がアニメになっていますよね。そしてアニメ化された後に多くの人が見るようになっています。これが小さな目標の一つです」(チ)
セカンドさんは、ソウソウネコをテーマにしたカフェを開きたいと目を輝かせる。「ソウソウネコは暖かくて楽しい雰囲気を持つキャラクターです。ですので、こんな感覚が人々により長い時間寄り添うようにできればと思います。日本を訪れた際、キャラクターとコラボしたカフェに行きました。メニューから食器まで特製で。午後のひとときをソウソウネコとともに過ごしているような、そんな雰囲気を持つカフェを開ければと思います」さらに、台湾の名物と組み合わせるアイディアも飛び出た。「例えばソウソウネコのマンゴーかき氷、パイナップルケーキみたいな。台湾の名物とコラボさせて日本で売るのもいいですね」(セ)
クリエイティブ産業は台湾の政府が積極的に振興を推進している分野の一つでもある。SNSの登場などで作家が作品を発表できる場も増えてきた。こうした背景を受け、台湾のキャラクター市場は徐々に活性化を見せている。「今は面白い時期。みんなにチャンスがあります。チェンはおそらく、フェイスブックがきっかけで人気を得た台湾最初のイラストレーターでしょう。インターネットのプラットフォームやLINEの自作スタンプ配信など、若い人々にとって活躍の場が増えてきたように思います」(セ)
企業も台湾のキャラクターに注目するようになった。昨年は台湾ファミリーマート(全家便利商店)がソウソウネコと、台湾セブン-イレブン(統一超商)がライモとコラボしたキャンペーンを実施した。「以前は台湾のコンビニは(販促キャンペーンにおいて)ディズニーやハローキティなど海外のキャラクターとしかコラボしていませんでした。でも、近年は台湾のキャラクターも使うようになりました。その際反響が大きく、その後別の台湾人イラストレーターの作品も採用するようになりました。これはとてもいい現象だと思います」(セ)「台湾の人は昔はみんな海外のキャラクターが好きでしたが、最近では台湾のキャラクターを好きになったり、商品を購入したりする人も徐々に増えてきました。だから台湾発のキャラクターがもっと多く登場し、一緒に努力していければと思います」(チ)
台湾でクリエイティブな空気を感じるのにおすすめのスポットを尋ねてみた。「僕は『松山文創園区』や『華山1914文化創意産業園区』(いずれも台北市)に行きます。そこでは学生や新人アーティストが展覧会を開いたりしています。とても面白い場所です。周辺には美味しい食べ物やいろいろな店もあります。午後を丸々使って付近をぶらぶら散策してみると、新しいものに出会えますよ」(セ)
(名切千絵)