(新北中央社)北部・新北市政府観光旅遊局は29日、日本統治時代の1920(大正9)年に建設され、約3年かけて修復していた選炭工場「瑞三整煤廠」を9月に一般公開する予定だと発表した。「20世紀の台湾石炭産業の発展を象徴する炭鉱の歴史を垣間見られるとしている。
同局によると、石炭産業で栄えた瑞芳区猴硐地区にあり、かつては台湾でも先進的な工場だったという。石炭産業の衰退と長年放置された影響で大きく損壊していたが、近くの「猫村」と呼ばれる観光スポットが人気となった他、安全性の観点から市文化局と協力し2019年から修復を行っていた。
建物は3階建てで、1階は鉄筋コンクリート造り、2階以上は木造となっている。市の歴史建築に登録されているため、修復には本来の梁(はり)や柱を残した上で、さびた部分には特殊処理を施して構造を補強。建築士と木工職人が協力し、木造部分には木組みの技法を用いた。
文化局は、基隆河上流は以前、台湾最大の石炭産出地であり、日本時代の調査で猴硐は優良な炭田だとされていたと説明。工場は当時の台湾石炭産業の重要な拠点であり、猴硐地区の発展の要因になったと歴史的価値を強調した。