(台北中央社)台湾原住民族サイシャット族の人々でつくる林業団体「有限責任苗栗県サイシャット族原住民林業・労働合作社」が、国際的な森林管理の認証を行う森林管理協議会(FSC、本部:ドイツ)の会員になった。9日にはFSCの関係者から同合作社に会員認定証が授与された。農業部(農業省)林業・自然保育署によると、台湾で初めての団体会員になるという。
FSCは適切に管理された森林から生産された林産物やその他のリスクの低い林産物を使用した製品を消費者に届けるための「FSC認証」を運営している。同合作社は長年にわたり、原住民と共に山林管理に取り組む同署の指導を受けてきた。
同署の林華慶(りんかけい)署長は、2018年から国有林の国際認証取得を推進してきたと説明。24年には台湾の森林面積の7割超に当たる156万ヘクタールが認証されたとした。
また現在の林業経営は経済性だけでなく、環境保護や社会的配慮も求められると指摘。台湾の森林は基本的に国が管理してきたが、その力には限界がある他、過去の政策は原住民族の文化や生活にゆかりのある「伝統領域」での自然資源の利用権に十分配慮してこなかったとし、山林の共同管理は政府と原住民族の信頼関係を再構築するものだと述べ、今後もより多くの団体がFSC会員になることに期待を示した。
同署は、同合作社は19年に設立され、天然林と人工林で異なる管理を行い、持続可能性を前提に木材、非木材の林産物を開発していると紹介。エコツーリズムや森林セラピー、文化体験などとも組み合わせた取り組みを進めているとした。
その上で、同署も同合作社と絶滅危惧植物の保全や森林資源の循環利用、地域雇用の創出に取り組んでいると強調。森林の生態系サービスを地域に還元し、住民の生計改善、違法伐採の減少などにも寄与し、原住民族、政府、森林の互恵関係が築かれていると効果をアピールした。