(横浜中央社)中華民国国慶日(国家の日)の10日、華僑団体の中華民国留日横浜華僑総会が主催する恒例の祝賀式典とパレードが横浜・中華街で行われた。パレードでは各所に中華民国の国旗が掲げられる中、台北駐日経済文化代表処の李逸洋(りいつよう)代表(大使に相当)が他の参加者らと共に「中華民国万歳」とシュプレヒコールを上げた。
午前中には横浜中華学院の子供たちによるパフォーマンスが行われ、午後に式典が開かれた。李代表の他、同代表処横浜分処の范振国(はんしんこく)処長(総領事に相当)や日本中華聯合総会の羅鴻健会長、在日華僑らが出席した。
華僑総会の許耀庚会長は、国慶日を祝うことは、孫文が指導した革命や、自由と平等を追求する精神を記念するためだとあいさつ。華僑界に対し、先人の志を受け継ぎ、新しい時代を切り開きながら中華文化を発揚し、自由民主主義と正義を守り、次世代に希望の光をともすよう呼びかけた。
李代表は、9月3日に中国で大規模な軍事パレードが行われ、習近平国家主席やロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が出席したことに言及。「三つの政権が形成する『邪悪の軸心(悪の枢軸)』は世界の混乱の根源」と批判した。
また日本には87万人以上の中国人が暮らしているとし、自由と民主主義の価値を理解し、共に歩んでほしいと強調。中華民国台湾が掲げる価値は、政党政治や民主的な選挙、言論・報道・宗教の自由、多様性の尊重、人権保障、法の支配、司法の独立だとし、「そのうち一つでも実現すれば、中国は真の民主化へと歩み始めることができる」との認識を示した。
式典後、会場では爆竹が鳴らされ、獅子舞や日本と中華民国国旗を持った人々がパレードし、沿道から声援が送られた他、多くの日本人も隊列に加わり「台湾頑張れ」などと声を上げた。