(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は中華民国国慶日(国家の日)の10日、台北市の総統府前で演説し、台湾統一を目指す中国に対し、武力や威圧による台湾海峡の現状変更をやめるよう呼びかけた。
頼氏が国慶日祝賀式典で演説を行うのは昨年5月の総統就任後2回目。
中国には、武力や威圧による台湾海峡の現状変更の放棄のほか、国連での中国代表権を定める国連総会第2758号決議(アルバニア決議、1971年採択)や、「カイロ宣言」を含む第2世界大戦に関する歴史文書の歪曲の停止なども求めた。また中国が大国としての責任を果たし、台湾と共にインド太平洋地域の平和と安定を守ることに期待を表明した。
その上で台湾の防衛費は来年度、北大西洋条約機構(NATO)基準で国内総生産(GDP)の3%を超え、2030年までにGDP比5%に引き上げることで、国を守る決意を示すと述べた。
防衛費の増額などを通じ「台湾の盾」(T-Dome)やインテリジェントな防衛・作戦システムの構築、国防と軍需産業の強化を進めるとし、軍事力や社会全体の強靭(きょうじん)性など実力によって平和を守る覚悟があると強調した。