(台北中央社)深刻な洪水被害をもたらした東部・花蓮県の河川「馬太鞍渓」上流のせき止め湖について、農業部(農業省)林業・自然保育署航空測量・遠隔測定分署は1日、地滑りが原因で形成されたとの調査結果を公表した。
台風18号に伴う大雨で9月23日にせき止め湖から水があふれ出し、川の下流にある同県光復郷では市街地に土砂混じりの水が流れ込んだ。この影響による人的被害は、中央災害対策センターによると10月1日午後4時時点で死者18人、行方不明者6人となっている。
同分署の報道資料によれば、9月25日にレーザー光をを使ったセンサー「LiDAR(ライダー)」を搭載した航空機を飛ばして計測を実施。これを基に作成した数値標高モデルと災害前の地形データと照らし合わせたところ、上流の山地から下流にかけて大規模な地形変化が確認された。
同分署は、せき止め湖が形成された元凶は地滑りだとした上で、深さは最大で403メートルと大規模だったことが分かったと説明。土砂が堆積した関係で、中流や下流の川底は災害前と比べ40~50メートル高くなったとした。
また、林業・自然保育署は10月1日、同日午前時点でのせき止め湖の貯水量は水があふれ出す前の約6.4%に当たる585万トンにまで減少したと発表した。一方で、水の流入が未だ続いており、下流の土砂の状況も不安定なことから、警戒レベルは引き下げていない。