(台北中央社)台北市の台湾大学構内にあり、日本統治時代の農学者、磯永吉が「蓬莱米」などの研究に取り組んだ木造建築「磯永吉小屋」(磯小屋)が、1925(大正14)年の建設から100年を迎えた。15日には記念式典が開かれ、AI(人工知能)で着色するなどした古写真などが公開された。
蓬莱米は日本種と台湾種の米を交雑させて生まれた新品種。磯小屋は台湾大の前身である台北高等農林学校の実習農場で最も早く建てられた建物の一つとされ、2009年に台北市の市定古跡に登録された。
日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)はあいさつで、磯は蓬莱米を誕生させ、多くの酒類の原料を改良し、食糧と商品作物の価値向上に大きく寄与したと功績をたたえた。
台湾大の丁詩同副学長は、磯が日本種の米を台湾に持ち込み、同大生物資源・農学部の教員や学生は現在も研究と改良を続けていると説明。地球温暖化が進み、日本が暑さに強い品種を必要とする時には、台湾に探しに来てほしいと語った。