(台北中央社)デンマーク・コペンハーゲンで先月末に開かれたラテアートの世界大会「ワールド・ラテ・アート・チャンピオンシップ2024」で、台湾代表の謝溢宸さんが優勝した。台湾の選手が優勝するのは初めて。謝さんは18日、台湾コーヒー協会が台北市内で開いた記者会見に出席し、練習の過程を語った。
カフェでのアルバイトをきっかけに、17歳でラテアートの世界に足を踏み入れた謝さん。2019年から世界大会への出場権を懸けた国内大会に参加し始め、昨年初めて代表権を獲得。今回、世界大会初出場にして初優勝を勝ち取った。
大会出場のため、謝さんが練習してきたラテアートは1万杯以上にも上る。平均すると毎日少なくとも100杯を超え、コーヒー豆と牛乳だけでも3カ月で16万台湾元(約77万円)を費やした。手には分厚いたこができ、しびれも感じるようになった。医師からは「ラテアートをやめないと治らない」と言われたが、謝さんは「それはできない」と練習を続けた。
今大会で最も大きな挑戦は自分だと謝さんは語る。特に、今年の大会はマシンが全自動に変更されたことから、普段は半自動マシンを比較的よく使う謝さんは全自動に慣れるため、過去に学んだものを忘れるよう自分に強要した。試合中には、各選手が冷蔵庫を開けたり閉めたりする影響で牛乳が冷えないという事態も発生したが、他の選手がアイスペールで牛乳を冷やしているのを目にして謝さんもすぐにまねし、臨機応変に対応した。
謝さんは今大会で、クジラ、ヘラジカ、竜をラテアートで描いた。多元的な世界をテーマに、陸海空の三つの領域でそれぞれ好きなものを選んだのだという。試合中には審査員に、竜は台湾ではとても神聖な象徴だと紹介し、異なる文化では一味違ったものが生まれるのだと伝えたと謝さんは明かした。