(台北中央社)2023年春の外国人叙勲で旭日双光章の受章が発表された漆工芸家の王清霜(おうせいそう)さんへの勲章伝達式が29日、台北市内の日本台湾交流協会台北事務所代表公邸で行われた。王さんは自身の受章が台湾と日本間の漆芸を通じた交流のレベルが高まるきっかけになるとし、交流が続いていくことに期待を寄せた。
日本統治時代の1922(大正11)年生まれ。日本に留学して漆芸を学び、台湾に戻ってからは作品の制作に取り組んだ他、後進の育成にも尽力した。同協会によれば、「日本の影響を受けた漆工芸の普及に努め、日本の漆芸術家とも積極的な交流を行い、漆工芸を通じた日本・台湾間の文化交流の促進に寄与した」ことが評価された。
式典では高齢の王さんに代わり、家族があいさつの原稿を読み上げた。漆芸をより深く学びたいと願った台湾の職人たちが日本との交流を促しているとし、漆芸の世界では台日間の努力が美しい風景として映っていると喜びを示した。
同事務所の泉裕泰代表(大使に相当)は、王さんが漆工芸の技術の普及や発展に貢献しただけでなく、日本に持つ豊富な人脈が台日間での大型展示の開催につながったとしてその貢献をたたえた。