(東京中央社)昭和天皇が皇太子時代の1923年に行った台湾行啓(ぎょうけい)の際に植樹された桜から株分けされた苗木が17日、東京都千代田区の靖国神社に植えられた。台湾と日本の有志による「桜里帰りの会」が行ったもので、同会の日本側代表を務める加瀬英明さんは、台日の友好の絆の深化に期待を寄せた。
同会は2019年の令和への改元に当たり、新天皇の即位を祝おうと、昭和天皇ゆかりの桜を日本に寄贈する計画を始動させた。同年10月、目録の贈呈式が東京都内で行われ、昨年には苗木が皇居外苑・北の丸公園に植えられた。
苗木はこの日、靖国神社の第1鳥居(大鳥居)付近の緑地に植樹され、「昭和天皇ゆかりの桜」と刻まれた石碑も建立された。
加瀬さんは、第2次世界大戦で戦死した3万人余りの台湾人日本兵が同神社に祭られていることに触れ、この日植えた桜がこれらの人々の魂を慰め、日本とアジアの平和と繁栄を守ってくれるよう願った。
同神社宮司の山口建史さんは、今回の植樹は意義のあることだと述べ、神社として光栄だと話した。
同会の台湾側名誉会長は李登輝元総統の妻、曽文恵さん、日本側名誉会長は安倍晋三元首相の母、洋子さんがそれぞれ務めている。