先住民に伝わるバナナ繊維の機織り、継承の取り組み続く/台湾

2021/09/29 14:27
花蓮県初の「人間国宝」に認定される厳玉英さん=文化部提供
花蓮県初の「人間国宝」に認定される厳玉英さん=文化部提供

(花蓮中央社)東部・花蓮県豊浜郷で、台湾では珍しいバナナ繊維を使った機織りが伝承されている。今年5月には伝承者の厳玉英さんが、文化部(文化省)から同県初の「人間国宝」に認定され、今月25日に証書を授与された。

この機織りは台湾先住民(原住民)族カバラン族の伝統工芸。厳さんは還暦を過ぎた約20年前から技術を学び、文化の復興と継承に尽力してきた。

厳さんによると、16ある台湾原住民族の中でカバラン族だけがこの技術を持っており、文化の重要なシンボル。だが、過去には断絶して失われてしまう危機もあったという。

厳さんが技術を学ぶきっかけは、1988年の出来事。宜蘭を訪れた際に会った親戚から、かつてバナナ布で作った服は、徳が高く人望のある人だけが着られたと聞き、衝撃を受けた。そのときすでにバナナ布を作れる人はほとんどいなくなっていたからだ。帰宅後、仲間に声を掛け、一緒に技術の習得や継承に取り組んだ。

地元の小学校で子供たちに機織りの技術を教えたこともある。厳さんは「どんな困難に見舞われても、辛抱強く続けて次の世代に伝えなければ、バナナ繊維の文化は途絶えてしまう」と語り、伝統文化継承の大切さを訴えている。

(李先鳳/編集:齊藤啓介)

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