(台北中央社)第2野党・民衆党の黄国昌(こうこくしょう)党主席(党首)の呼びかけにより8月30日に台北市内で行われたデモ集会で、一部の参加者や党関係者が警察と押し合いなどになった影響で警察官8人がけがを負った。警政署を管轄する内政部(内務省)は同31日、関連の逸脱した行為が公務執行妨害や強要罪、集会デモ行進法違反に当たるとし、台湾台北地方検察署(地検)に送検すると発表した。
デモは党創設者の柯文哲被告=台北市長時代の商業施設建設を巡る収賄などの罪で2024年に起訴=が勾留されて約1年が経過したことを受け、「司法の正義の取り戻し」を掲げて実施。午前7時半に台北メトロ(MRT)中正紀念堂駅周辺で始まった。台北市政府警察局中正第一分局の報道資料によれば、1000人近くの参加者が総統公邸に向かって行進した。
内政部は報道資料を通じ、台北市警察局と同署保安警察第一総隊の警察官計8人が、群衆に強く押されて負傷したり、体調不良になったりした他、倒れて医療機関に搬送された警察官もいたと明かした。
同部は、故意に衝突を謀り、公権力に挑戦する逸脱行為を厳正に非難すると言及。第一線で持ち場を守り秩序維持に努めた警察官を評価するとともに、警政署が法に基づいて行政を行うことを全面的に支持し、社会の安全と民主主義の価値を両立させるとコメントした。
▽黄党主席「手を肩に置いただけ」 首絞めたとの指摘を否定
黄党主席に対しては、警察官の首を絞めたのではないかと指摘する声が上がった。黄氏は31日、報道陣の取材に対し、映像を見れば真実は明らかであり、「手を(警察官の)肩の上に置いただけだ。あなたは首を絞められても笑っている人を見たことがあるのか」と語った。
また、与党・民進党や頼清徳(らいせいとく)総統について、「抗議の声を排除している」としたり、民進党寄りのメディアを利用して中傷し、自身が警察官の首を絞めたとのデマを流したとしたりして批判した。