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大規模リコール/今後の政局、より厳しく リコール「失敗」で専門家分析 与野党の和解が必要/台湾

2025/07/27 19:41
リコール推進派の集会で涙を流す女性=7月26日、台北市
リコール推進派の集会で涙を流す女性=7月26日、台北市

(台北中央社)26日に投開票が行われた最大野党・国民党の立法委員(国会議員)24人らに対するリコール(解職請求)の賛否を問う住民投票は全てが不成立となった。複数の専門家が27日までに中央社の取材に応じ、今後の展望を示した。

成功大学社会科学部政治学科の王宏仁教授は、野党が「(ゲーム・スーパーマリオのアイテムである)スーパースター」を手にしたため、政府や与党・民進党により強い姿勢で対抗することになり、また自身の行為が有権者に認められたと主張する可能性もあると指摘。与党はより慎重に対応する必要があり、議題が過度に政治利用されるのも避けるべきだとした。

また、法案が立法院(国会)を通過しないのが(過半数を占める野党の)ボイコットによるものなのか、他の理由があるのかを一般の人々はあまり詳しく追及せず、与党が野党との意思疎通や調整を行っていないことだけに原因があると見なしていると言及。米国からの関税圧力や国際情勢に直面する現状では、民進党は野党に対して善意を示し、共同の協力プランを示さなければならないと語った。

政治大学国際関係学部の陳文甲非常勤准教授は、民進党が立法院での劣勢を覆せなかったため、国防予算や国会改革といった重要政策の推進が困難になると話した上で、与野党が協議の仕組みを改めて立ち上げる必要があると提言した。またリコール阻止の過程で国民党と第2野党・民衆党が戦略的に連携したとし、この関係は今後の選挙や立法院での攻防でも続き、民進党をけん制する大きな力になるとの見方を示した。

中央社がユーチューブで配信した開票番組に出演した中国文化大学国家発展・中国大陸研究所の曲兆祥非常勤教授は、民進党にとっては議会の過半数割れが現実であるとした上で、それが理由で頼清徳(らいせいとく)総統に野党との協議を重ねて呼びかけてきたと強調。頼総統が誠意をもって野党に協議を申し出れば、中間層の有権者はそれを評価するはずだと語った。

また(今回のリコール投票を含む)選挙のたびに社会が引き裂かれていると指摘し、政権側が社会の和解に取り組むべきだと訴えた。

東海大学社会科学部政治学科の邱師儀教授は同番組で、今回の結果は民進党にとって大きな打撃であり、社会に新たな対話が必要だと言及。野党に対しては、勝利を喜ぶのではなく、謙虚な姿勢を持つべきだと訴えた。

8月23日に行われる7人に対する投票については、今回の結果がリコール推進派の士気に影響を与えるため、さらに難しくなるだろうと語った。

(頼于榛、呉書緯、王揚宇/編集:田中宏樹)

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