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行政院、今年度予算案の再議を請求「実施が困難」/台湾

2025/02/27 16:29
閣議後の記者会見に臨む行政院の卓栄泰院長(左)と鄭麗君副院長=2月27日、台北市
閣議後の記者会見に臨む行政院の卓栄泰院長(左)と鄭麗君副院長=2月27日、台北市

(台北中央社)行政院(内閣)は27日、立法院(国会)で可決された今年度の中央政府予算案と財政収支配分法(財政収支画分法)改正案について、実施が難しいとして、立法院に審議のやり直し(再議)を請求することを決めた。卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)は、内容の十分な確認と熟慮を経て、複数の学者や専門家から意見を聞いた上で再議請求を決定したと述べた。

今年度予算案を巡っては、多数派の野党が大幅な削減・凍結を提案。1月、行政院院会(閣議)の提案から約2075億台湾元(約9430億円)削減した予算案が立法院で可決された。削減額としては過去最大となった。

卓氏は27日の記者会見で、再議請求の理由を説明し、理由として(1)国家の憲政体制、五院(行政、立法、司法、考試、監察)の院間権力分立を破壊(2)人々の基本的権益を侵害し、民主主義、法の支配の運営に影響(3)国家財政の健全性を弱体化させ、予算の適切なやりくりが困難になる(4)十分な議論がされず、立法手続きの正義に違反—の4点を挙げた。これらの理由によって五院の秩序が失われ、政権運営が困難になると述べ、「安易に再議を申し立てるのではない」と強調した。

▽ 国民党「再議案は失敗に終わる」 行政院を批判

予算案の削減・凍結を主導した野党で議会第1党、国民党の王鴻薇(おうこうび)立法院党団(議員団)書記長は27日、取材に対し、行政院が請求した再議案について、野党は立法院で法に基づいて審査、反対するとし、「確実なのは、再議案が再び失敗に終わるということだ」と述べた。

また、行政院の再議請求は国家運営のためでなく、政党の利益のためだと批判した。

立法院(定数113)は与党・民進党が51議席で過半数を割り込んでいる。国民党(52議席)、民衆党(8議席)、無所属(2議席)となっており、野党が「数の力」を得ている。

(頼于榛、高華謙、王承中/編集:名切千絵)

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