(シドニー中央社)中華民国(台湾)と外交関係を持つ太平洋の島国パラオで5日、大統領選挙が行われ、現職のウィップス大統領が再選を果たした。ウィップス氏は12日、中央社の取材に応じ、台湾とパラオは同じ価値観を共有しているとした上で、今後も引き続き深い友好関係を築きたいとの意向を示した。
今回の選挙では経済問題が主要な争点となった。ウィップス氏は、政府の投資によるインフラ建設などを例に、台湾との関係の重要性に言及。民間による投資が拡大し、協力がパラオ経済の成長のエンジンになることを期待すると述べた。
その上で、農業や漁業、デジタル技術、観光、金融の分野だけでなく、運輸業やその他の産業への投資が行われることを望むと強調。最近ある企業がパラオを訪れ、海塩や関連化粧品の開発について話し合ったとし、「チャンスは確実にある。潜在力がどこにあるか見に来る適切なパートナーが必要だ。パラオブランドには競争力があると考えている」と語った。
また新型コロナウイルス流行期間中に台湾との間で行われた観光往来再開の枠組み「トラベルバブル」については、台湾はパラオとの間で航空便を再開させた世界で初めての国だとした上で、現在も週4便で結ばれているとし、今後の増便を期待するとした。
頼清徳(らいせいとく)総統については、副総統時代にパラオで一緒に泳いだ思い出やウィップス氏が今年5月の総統就任式典出席のため訪台した際にはエビ釣りを楽しんだことに言及。「(頼氏を)非常に理解している」と笑みを浮かべた。