(プラハ中央社)蔡英文(さいえいぶん)前総統は14日、チェコ・プラハで開かれた国際会議「第28回フォーラム2000」で講演した。この日、中国軍が台湾を取り囲む形での軍事演習の実施を発表したことから、蔡前総統は、各種の手段で台湾を併呑しようとする中国政府の決意の表れだと指摘しつつ、「台湾の人々は『民主主義はわれわれの妥協できない一部分』だと繰り返し示してきた」と強調した。
フォーラム2000は民主化後のチェコを率いた同国のバツラフ・ハベル元大統領の主導の下で創設された会議で、1997年に第1回が開催された。世界のリーダーや思想家などが集まり、共通の重要課題について議論、共有するプラットフォームとなっている。
蔡前総統は講演で、世界の民主主義国家が団結し、日ごとに増長する専制主義勢力の脅威に立ち向かい、得難い民主主義と自由を守っていく必要性を訴えた。
蔡前総統は世界の民主主義が直面する挑戦に言及。専制政権はますます自信を持ち、その統治モデルが民主主義制度より優れていると考えていると指摘した。その上で、これらの政権はグレーゾーンの行動や軍事的脅迫、認知戦、情報戦などによって民主主義国家の人々の、制度に対する信頼を削ごうとしているとし、台湾はかねてからこれらの挑戦の最前線に立ち、中国からの継続的な脅迫と軍事的圧力に立ち向かってきたと述べた。
また、長年にわたって台湾が直面してきた脅威や変わり続ける国際環境は、台湾の人々をより強く、現実的にし、社会全体で台湾の民主主義を守るという姿勢をもたらしたと強調した。