(台北中央社)きらびやかなメークや衣装でダンスなどを披露するドラァグクイーンとして活躍する台湾人、ニンフィア・ウインドさんが15日、台北市の総統府を訪れ、蔡英文(さいえいぶん)総統と面会した。ニンフィアさんは複数のドラァグクイーンと共にきらびやかなパフォーマンスを披露。過去8年の任期の間に同性婚合法化などを実現させた蔡総統の貢献に感謝し、蔡総統という手本がいたからこそ「私たちの美しい姿を表現することができた」と語った。
ニンフィアさんは米国で先月放送されたコンテスト番組「ル・ポールのドラァグ・レース」でアジア人として初優勝を果たした。
ドラァグクイーンによるパフォーマンスを観賞した蔡総統は、総統府がこれほどまでににぎやかになったことは過去8年で初めてだとあいさつ。その上で、華やかなステージの背後には社会における差別や偏見の目への反抗があるとし、ドラァグクイーンらが恐れることなく美しさを表現し、身を挺して枠を打ち破っていることに感謝した。
またこの数年来、政府はジェンダーの平等の推進に力を入れ、婚姻の平等も達成したとアピールし、それは民主主義で自由な台湾では全ての人が性別における「らしさ」や性的指向を問わずに自分を表現し、自分が愛する人と家庭を築けるようにしたかったからだと語った。
ニンフィアさんは、国の指導者が執務を行う庁舎でドラァグクイーンのパフォーマンスが披露されるのは初めてではないかと話し、国家に対する蔡総統の貢献があったからこそ今のような自分になれたと感慨深げに語った。発言の最中、声を詰まらせる場面もあった。