(台北中央社)来月20日に発足する新内閣の文化部長(文化相)に内定した作家の李遠(りえん、筆名・小野)氏。作家として100冊以上の書籍を出版した他、1980年代に台湾の映画界で展開された「台湾ニューシネマ」の立役者の一人でもある。教育の分野にも携わり、「台北メディアスクール」(台北市影視音実験教育機構)の初代校長を務めた経歴を持つ。
1951年10月生まれの72歳。台湾師範大学生物学科卒。米ニューヨーク州立大学バッファロー校の大学院への留学経験もある。70年代に数々の小説やエッセーなどを世に出し、人気を博した。70年代後半以降は映画の脚本も多数手掛けた。代表作にはエドワード・ヤン(楊徳昌)監督の「恐怖分子」などがある。
李氏によれば、文化部長への就任は今月初頭に打診された。李氏は、家族に心配されたこともあり「長い間悩んだ」と明かした。
新内閣の行政院長(首相)に内定した卓栄泰氏は李氏について、文化界での堅固な実績を持ち、ハイカルチャーから大衆文化まで触れたことがあると評価。政府機関から部会(省庁)、民間企業まで文化的素地を持たせ、台湾を文化、文明大国にしたいとの願いから、李氏を起用したと説明した。