(東京中央社)安倍晋三元首相の母、洋子さんの死去を受け、台北駐日経済文化代表処の謝長廷(しゃちょうてい)代表(大使に相当)や在日台湾人団体の連合組織、全日本台湾連合会は5日、哀悼の意を表した。
謝代表はフェイスブックで洋子さんについて「生前は台湾にとても友好的だった」とし、自身が2016年に駐日代表に就任して以降、洋子さんが4回連続で中華民国国慶日(国家の日、10月10日)の祝賀レセプションに参加したことや、洋子さんを官舎に招いたり、洋子さんの作品が展示される書展に招かれたりしたことを振り返った。また、昭和天皇が皇太子時代に行った台湾行啓(ぎょうけい)の際に植えられた桜の苗木が日本に寄贈される際には、洋子さんが日本側の名誉会長を務めることに快く同意したことに触れ、「台湾への支持は惜しみなかった」とたたえた。突然の訃報に「名残惜しさと懐かしさが募るばかりだ」とつづり、「あの世で安らかに過ごし、日本と台湾の幸福と友好を引き続き見守ってほしい」と祈りをささげた。
全日本台湾連合会は趙中正会長と常務理事会、理事会一同の名義で追悼文を発表。夫の安倍晋太郎元外相を支え、「台湾を家族のように愛し、応援してくださった安倍晋三元首相を育て上げられたそのご功績は誠に偉大」だとし、「終生台湾にお寄せ下さった温かい慈愛と情熱は台湾人に希望と勇気を与えてくださいました。その御恩は永遠に台湾人の心に刻まれることでしょう」と謝意を表した。
洋子さんの訃報を受け、蔡英文(さいえいぶん)総統や頼清徳(らいせいとく)副総統も5日、追悼メッセージを発表している。