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総統選/第3勢力・民衆党候補の柯氏、台湾の人々は一国二制度「受け入れない」

2024/01/12 18:10
国際記者会見で中国との関係などを語る民衆党の柯文哲前台北市長
国際記者会見で中国との関係などを語る民衆党の柯文哲前台北市長

(台北中央社)13日投開票の総統選に立候補している第2野党・民衆党の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長は12日、中国が台湾に提案する「一国二制度」が香港モデルを指すのであればと前置きした上で、「台湾には(一国二制度の)市場はなく、台湾の人々は受け入れない」と述べた。

選挙直前の国際記者会見で海外メディアの質問に答えた。柯氏と副総統候補の呉欣盈(ごきんえい)立法委員(国会議員)が出席したこの日の会見には、160社、312人の報道陣が集まった。

与党・民進党と最大野党・国民党の二大政党の間に割って入る「第3勢力」として支持を広げてきた民衆党。柯氏はあいさつで、台湾にこれまでぽつりぽつりと登場してきた第3勢力は、小規模政党に不利な選挙制度によっていずれも泡沫化の道をたどってきたと言及。民衆党は台湾で初めて登場した第3勢力を代表する政党であり、最も強力な挑戦者だとアピールした。また、総統選と同日実施される立法委員(国会議員)選では、民進、国民、民衆の3党共に過半数の議席を獲得できないと予想されていることから、民衆党は国会で鍵となる勢力となり、政府を監督し、バランスを取る役割を果たしていくと語った。

4年前の前回総統選では香港問題が一大テーマとされたが、今回は影を潜めている。海外メディアからは、一国二制度下の香港をどう評価するのかなどの質問が上がった。柯氏は、台湾は香港とは異なり、自身の政府や軍隊、財務システムを有しているとし、「台湾は決して香港にはならない」と断言した。

両岸(台湾と中国)問題と、一つの中国を巡る「92年コンセンサス」に関する話題にも海外メディアから注目が集まった。柯氏は「92年コンセンサス」という名称にとらわれずに中国とのやりとりを試みるべきだとし、まずは宗教や旅行、文化の面から交流を再開させる考えを示した。

さらに、ブリンケン米国務長官が以前米中関係について語った「必要な時は競争的、可能な時は協力的、必須な時は敵対的になる」との言葉を例に出し、民進党政権の問題は協力できる時に対抗し、国民党の問題は敵対すべき時に協力しようとすることだと批判を展開。米国との安定的な関係を基礎として中国と意思疎通する態度を表明する自身の立場を示し、「まずは交流し、そうすれば善意が得られる」と主張した。

(郭建伸、呉昇鴻/編集:名切千絵)

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