台湾の西に浮かぶ離島・金門でこのほど、羽の色や模様が非常にユニークな生き物、テングビワハゴロモが確認された。暖かさを感じて活発に活動をするようになったのではないかと専門家はみている。
テングビワハゴロモは中国語では「龍眼鶏」と言う。名前に「鶏」の文字がついているが鶏ではない。東南アジアに分布するカメムシ目の昆虫でセミの近縁種。てんぐの鼻のように長く伸びた頭部が特徴的とされる。
龍眼鶏の名前について、昆虫の生態に詳しい陳西村さんは、16世紀の薬学百科全書「本草綱目」でカメムシ類を「樗鶏」(ちょけい)と表記したこともあり、テングビワハゴロモがよく龍眼の木に現れることからこの名前が付けられたと説明した。
陳さんによれば、テングビワハゴロモの成虫は冬には木の枝の先端に隠れて冬越しをする。最近、暖かさが戻ったため、龍眼の木に姿を見せるようになったという。カラフルな紋様の羽を持つなど、見た目が派手なテングビワハゴロモを一目見ようと、戦地だった金門の観光解禁後、多くの観光客が足を運んでいることも紹介した。
大陸からの強い寒気団などが弱まった影響で、台湾ではここ数日、暖かい日が続いている。