南部・嘉義県の国立故宮博物院南部院区(故宮南院)では琉球の文化と歴史を紹介する特別展「万国津梁・東アジア海上の琉球」が行われている。7日に始まってから参観者が途絶えず、中でも絵画「神猫図」を一目見ようと、多くの人が足を運んでいるという。
同院によれば、「神猫図」は那覇市歴史博物館の所蔵品で沖縄県指定文化財となっている。琉球王府の命で中国に留学した琉球絵画の第一人者、山口周季(唐名:呉師虔)が1725年に手掛けた。夜の闇に浮かび上がる神猫が毛先の一本一本までもが繊細なタッチで描かれ、その神性を存分に表現している。
同院は神猫図と同様に猫が座る様子を描く清朝の宮廷画家、沈振麟の作品「菊葵狸奴」も併せて紹介。東アジア諸国と中国の文化が互いに影響し合うことを理解してもらえればとした。沈振麟は19世紀に活躍した画家で、清末期の権力者、慈禧太后からその腕を称える扁額「伝神妙手」が贈呈された。狸奴は猫の異称。
特別展では故宮に加え、日本の博物館や美術館などが所蔵する資料150点以上が展示されている。12月1日まで。