国立伝統芸術センター台湾音楽館は昨年、「族群(エスニックグループ)音楽採集伝承プロジェクト」を台北芸術大学に委託して実施し、東部・台東県関山鎮にある台湾原住民(先住民)アミ族のカアダアダアン集落(電光部落)に伝わる民謡の伝承に取り組んだ。先月20日には成果発表会が開かれ、集落の住民らが民謡を披露した。
台湾音楽館の報道資料によれば、集落に伝わる歌には民族の暮らしや祭礼、文化の記憶が詰まっており、その文化的価値は極めて高い。だが時代の変遷により消滅の危機にさらされ、保存や記録が急務となっていた。これを受け同館は2020年に調査プロジェクトを実施し、民謡の収集や整理、デジタル化を行った。昨年のプロジェクトでは、20年に記録した民謡を集落の若者たちに勉強してもらったという。
集落の頭目、張万生さんは成果発表会当日、関係者らに深い感謝を伝え、プロジェクトのおかげで集落の伝統的な歌を保存・再現できたと言及。また集落の若者たちが民族の文化を伝承する重責を進んで引き受けてくれたことに感動したとし、お年寄りたちが心を尽くして歌を教えていたのにも敬意を表したいと話した。
台湾音楽館は、今後も民族音楽の収集や保存、伝承、普及を進め、貴重な文化の記憶を永遠に伝えてさらに花開かせたいとしている。