(台北中央社)台湾内ではしか(麻疹)のクラスター(感染者集団)が発生したのを受け、不安視する声が上がっている。衛生福利部(保健省)疾病管制署の羅一鈞(らいっきん)副署長は13日、はしか感染は「市中には広がっていない」とし、感染拡大を心配しないよう呼びかけた。
台湾では、ベトナムへの渡航歴がある輸入症例を発端に、中部の病院でクラスターが発生。このクラスター関連の感染者は10日現在、19人に上っている。
疾病管制署は羅氏がはしかの予防接種などに関する情報を説明する動画をフェイスブックなどに投稿した。羅氏は、現時点で確認された感染者は全て、追跡している接触者の範囲内にいると説明。各国の統計で、はしかの関連ワクチンの接種率が95%以上であれば大流行はしないと考えられていることを紹介した上で、台湾では予防接種を受けた子供の割合が97%以上に達しているとし、国内では大規模なはしかの流行は起こらないと述べた。
その上で、ワクチンの防御力がやや衰えている可能性がある1981年以後に生まれた人のうち(1)15年以内にはしか、おたふく風邪、風疹の3種混合ワクチン(MMRワクチン)を接種していない医療従事者(2)ベトナムやインド、カンボジアなどはしかが流行している地域に渡航する人―に対しては、はしかワクチンの自費接種を推奨するとした。