台湾固有の淡水魚であるタイワンマス。希少なため「国宝魚」と呼ばれ、保全に向けた取り組みが進められている。2022年時点での野生の個体数は1万5000匹と、1995年の200匹余りに比べ、27年で75倍に回復し過去最多を更新した。
中部・台中市を流れる七家湾渓では安定して生息している他、台湾中部を流れる大甲渓の上流域を構成する各支流にまで分布域が広がり、タイワンマスの保護における大きな成果だとされている。
タイワンマスの保護に注力する雪覇国家公園管理処(中部・苗栗県)の廖林彦主任によれば、タイワンマスの再生に際し、胚に眼球の出現した受精卵を指す発眼卵による移植放流が採用される。その状態で運べば、より標高の高い地域に移動し育て生息地の拡大や生存リスクの分散に寄与するという。
同国家公園内にはタイワンマス生態センターが設置されており、現在改修工事が行われているが、人々に保全の成果を見てもらおうと、6月1日に一般に向け再開放される予定。