(東京中央社)台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)は28日、農業部(農業省)の出先機関として同処に新たに設置した部門の看板除幕式を東京・白金台の同処庁舎で行った。李逸洋(りいつよう)駐日代表(大使に相当)はあいさつで、台湾と日本の農業交流を深化させ、より多くの良質な台湾の農産物を日本の消費者に届けたいと意欲を示した。
農業部が海外に拠点を置くのは駐米台北経済文化代表処、世界貿易機関(WTO)に続いて3カ所目。
農業部の胡忠一(こちゅういち)政務次長は取材に対し、駐日代表処農業部の設置は気候変動などの新たな挑戦や農業の技術交流、農産物貿易など台日双方のニーズに対応するのが主な目的だと紹介。農産物貿易や動植物検疫、農林水産関連技術の交流、漁業者組織の取り決め締結、海難救助、農協間の交流など多方面での協力を支援する重要なプラットフォームになると説明した。
李氏は、日本と台湾は農業分野で非常に重要なパートナーであり、農業交流は経済上でも非常に重要な意味を持つと言及。昨年の日本から台湾への農産物輸出額が約11億3000万米ドル(約1622億円)だった一方、台湾から日本への輸出額は約6億4800万ドル(約930億円)だったとし、台湾には努力の余地があると述べた。
日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の花木出専務理事はあいさつで、パイナップルやバナナ、コメなどを例に挙げ、日本における台湾グルメの存在感は徐々に向上していると言及。台日間の農産物貿易は依然として日本からの対台湾輸出が主だとしつつ、今後は駐日代表処農業部の努力によって台湾の食品の対日輸出が推進されるよう期待を寄せた。