越冬のために台湾に飛来した渡り鳥のサシバが繁殖地に向かって北上を始めている。飛行中の海上で疲れたためか、船べりに止まり休んでいる姿が見られた。
サシバは主に日本や韓国などで繁殖する。毎年の冬には東南アジアに渡り冬を過ごし、台湾はその際の通過点となっている。翌年春、北へ戻る際も台湾を通り過ぎていく。台湾にやってくる3~4月は先祖の墓参りに当たる清明節前後となるため、「清明鳥」とも呼ばれる。
サシバの写真を撮った林さんによれば、今月24日午後6時ごろ、台湾南部のバシー海峡や台湾南西の海上を航行中、船の周りをサシバとみられる鳥類の群れが旋回しデッキに止まっているのを見たという。
「海上を航行して10年になるが、これほど大量のサシバが船で休憩する様子を見たのが初めてで、記念に携帯で写真を撮った。翌朝になると、飛び立っていった」
南部・高雄市野鳥学会は、渡り鳥の大移動は持久力が必要で危険を伴うとし、体力不足のときは休眠場所を探さなければならないと指摘。船で出会ったら、なるべくそっとしておいてほしいと呼びかけた。