写真は東部・花蓮県のレンガ窯工場「冨南窯場」。建築材の素材転換や環境保護意識の向上などで、すでに操業を停止したが、人々に冨南窯場を身近に感じてもらおうと、かつて窯場で働いた人たちの姿を描いた展示会が窯場内で開催中。
冨南窯場は1966年に建てられ、当初は登り窯だった。のちに建物の屋根を八卦の形に変え、「八卦窯」と呼ばれるようになった。レンガ製造の最盛期に八卦窯だけでは生産が追いつかないため、トンネル窯が増設された。
だが、時代の流れに逆らえず、八卦窯は1972年に、トンネル窯は1991年にそれぞれ操業停止となった。一度は荒れ地と化し、さらに2000年に襲来した台風の影響で大きく損壊した冨南窯場。持ち主の修復を経て、八卦窯は2007年に同県の歴史建築に登録され、トンネル窯は民宿としてよみがえった。
展示会は5日に開幕。その後は八卦窯内に作品が常設されるという。