(台北中央社)英国で11月26~30日に行われたボクシングの世界大会「ワールド・ボクシングカップ・ファイナル」で台湾の林郁婷選手が、自身の性別に主催者が懐疑的な立場を取ったことへの抗議として出場を棄権したことを受け、主催したワールドボクシング(WB)のボリス・ファンデルフォルスト会長は同30日、台湾側に謝罪した。性別に関する検査の規則や基準を整備していくとした。
林選手はパリ五輪ボクシング女子57キロ級の金メダリスト。パリ五輪の際にはインターネット上などで性別を巡った根拠なき攻撃にさらされた他、国際ボクシング協会(IBA)からも批判を受けた。IBAは組織運営などを問題視され、2023年に国際オリンピック委員会(IOC)から統括団体としての承認を取り消されている。WBは五輪での競技存続を目指して同年に設立された国際組織。
ファンデルフォルスト氏は、林選手に同行した教育部(教育省)体育署の房瑞文副署長や中華民国ボクシング協会の彭俊銘秘書長、林選手のコーチの曽自強氏と面会して謝罪。今大会の医療委員会の関連規則を予定通りに制定できなかったことに対して申し訳なく思っており、林選手が出場できなかったのも遺憾だとした。その上で、WBがIOCの専門家と共にプロジェクトチームを組み、関連の規則や基準を完璧に整えると強調した。