(東京中央社)台湾ドラマ「零日攻撃 ZERO DAY」の記者会見が30日、東京国際映画祭併設のコンテンツマーケット「TIFFCOM」で行われた。キャストの一人である俳優の高橋一生は出席しなかったが、ビデオメッセージを寄せ、「挑戦しがいのある作品でした」と振り返った。
同作は、台湾海峡戦争の勃発が間近に迫った情勢下で、台湾の経済や政治、宗教、メディア、インターネットなどが中国の脅威によって受ける影響を描いた。日本からは高橋の他、水川あさみが出演する。全10話で、台湾では来年放送・配信予定。
記者会見にはプロデューサー兼脚本統括のチェン・シンメイ(鄭心媚)や主要キャストのリエン・ユーハン(連兪涵)、ロイ・チャン(張洛偍)が出席した。チェンプロデューサーは、来年5月にデンマークで開かれる国際会議「コペンハーゲン民主主義サミット」から、場内で作品を上映したいとのオファーがあったことを明かし、同作品は台湾あるいは全世界にとって大きな意味があると話した。同サミットには毎年、世界の民主主義国家の首脳や元首脳などが参加する。
高橋はビデオメッセージで同作への出演について、政治的な問題を背景にしつつもエンターテインメントとして表現する点に面白みを感じ、シナリオが魅力的で台湾で全編が撮影されるという点にも興味を持ったと話し、チェンプロデューサーから「平和が最も大事だというメッセージを届けたい」と伝えられたことにも参加を後押しされたと明かした。同作では複数の言語での演技に挑戦した高橋。「台湾語と英語も交えた芝居はとてもハードでもあり、挑戦しがいのある作品でした」と語った。
チェンプロデューサーは日本人俳優を起用した理由について、日本の視聴者にも台湾と共に、中国共産党による浸透の問題に関心を持ってもらいたいというのが主な狙いだと説明。日本のプラットフォームに積極的に接触している最中だと明かし、早期に日本で放送・配信できることを望む考えを示した。
台湾の映像作品の日本市場開拓に向け、台湾ドラマ製作産業聯合総会は46の業者を率いてTIFFCOMに参加している。31日には「台湾デー」と「台湾ナイト」を開催し、台湾の作品をPRする。