(台北中央社)台湾の電子機器製造大手、鴻海(ホンハイ)精密工業が日産自動車の一部株式取得を計画しているとの報道が市場で注目を集める中、業界関係者は19日、中央社の取材に対し、鴻海で電気自動車(EV)事業の最高戦略責任者(CSO)を務める日産出身の関潤氏が現在フランスで日産の筆頭株主であるルノーと日産株の売却について協議していると明らかにした。
日本の報道各社で18日、日産とホンダが経営統合に向けて協議に入ると報じられた。また一部メディアは、その背景には鴻海が日産の経営参画への意欲を示していることがあるとの見方を伝えた。
中央社の取材に応じた業界関係者によれば、鴻海はかねてから日産の一部株式取得を計画しており、劉揚偉董事長(会長)が主導し、実務は関氏が担っていると説明。関氏は日産に株式取得の意向を直接伝えたものの、日産側からは同意が得られなかったという。
ダイヤモンド・オンラインが18日付記事で、日産がホンダと結ぶ覚書には「特別条項」が含まれ、鴻海の日産買収が阻まれる可能性があると報じたことについて、鴻海は19日午前、中央社の取材に応じた際、現時点ではコメントしないと述べた。
関氏は1986年に日産に入社し、2019年には日産のナンバー3である副最高執行責任者(COO)を務めた経歴を持つ。昨年2月に鴻海に移籍し、EV事業のCSOに就任した。