(ベルリン中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が2027年の量産開始に向けて建設計画を進めているドイツ東部ドレスデンの工場について、2千人規模の社員を募集する見込みであることが分かった。同社とドイツ企業などが出資する合弁会社、欧州半導体製造(ESMC)のクリスティアン・コイッチュ社長が10日、ベルリンで開催されたフォーラムで明かした。
コイッチュ氏は今後3~5年でTSMCのエンジニア数百人がドレスデンに派遣されるほか、ESMCとして2千人近くのドイツ人やヨーロッパ出身の社員を募集する予定だと説明。台湾の技術的強みと、仕事上で効率や規律を重んじるドイツの特質を結び付けることで、卓越した世界レベルのチームをつくれればと語った。
同工場の年間生産能力は12インチウエハー約48万枚に上る見通し。コイッチュ氏は同工場の設置で半導体サプライチェーン(供給網)で欧州の占める割合が高まるだけでなく、産学連携も計画していると言及。博士課程の学生に検証環境を提供したり、新たにイノベーションのためのプラットフォームを開放したりすることで、学生が半導体産業に関連する学位を取得する手助けをしていくと述べた。
ESMCはTSMCの他に自動車部品大手ボッシュや半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ、NXPセミコンダクターズが出資して設立された。コイッチュ氏はボッシュの出身。