リトアニア産ビールメーカー、中国から注文取り消し 台湾市場に注力へ

2022/01/19 11:40
リトアニアのビールメーカー、ヴォルファスエンゲルマンのCEO、Marius Horbačauskas氏
リトアニアのビールメーカー、ヴォルファスエンゲルマンのCEO、Marius Horbačauskas氏

(ビリニュス中央社)台湾への接近を背景に中国から外交的、経済的圧力を受けているバルト3国の一つ、リトアニア。リトアニアのビールメーカー、ヴォルファスエンゲルマンは昨年秋、中国からの注文を全てキャンセルされた。一方で、昨年の台湾市場の販売量は前年比23倍に達し、急成長を遂げた。同社の責任者は中央社の取材に対し、「愛は相互的でなければならない」と話し、台湾からの愛がより多いのであれば「そこになぜ注力しないのか」と台湾市場に力を入れる姿勢を示した。

リトアニアは昨年5月、中国と中・東欧17カ国間の首脳会議「17+1」を離脱。これを機に中国との関係が緊迫し始めた。その後、台湾への代表機関設置を発表。台湾も同7月20日、リトアニアへの代表機関設置を発表し、中国の反発を招いた。中国は同8月、駐リトアニア大使の召還を決め、同11月に台湾の代表機関「駐リトアニア台湾代表処」がリトアニアの首都ビリニュスに設置されると、リトアニアの外交関係を「代理大使級」に格下げした。また、リトアニア製の商品が中国の通関で足止めされるなど、経済的圧力も強まっている。

ヴォルファスエンゲルマンのビール
ヴォルファスエンゲルマンのビール

ヴォルファスエンゲルマンは2020年に台湾に進出。1年目の販売高は約8000リットルだったが、2021年には18万リットルにまで大きく伸びた。昨年12月に台北で開かれた総合食品見本市「FOOD TAIPEI 2021」でも多くの業者から関心が寄せられ、好評を得た。インターネット上の口コミでも台湾の消費者からの評価は非常に高いという。

台湾の消費者が同社のビールをこぞって買い、高い評価を寄せる一方で、中国でのレビューは低評価で埋め尽くされた。

昨年の夏の終りごろ、同社には中国のパートナーから「リトアニアはいったいどうしたんだ」との問い合わせが突然寄せられた。その時、中国のネットやメディアでの同社製品に対するコメントは批判的なものだらけで、リトアニア製商品はボイコットされていた。小売業者は入荷をためらい、同社は同10月、「年内の注文をすべてキャンセルする」との通知を中国側から受けた。

リトアニア第2の都市、カウナスにあるヴォルファスエンゲルマンの工場
リトアニア第2の都市、カウナスにあるヴォルファスエンゲルマンの工場

同社は約7年前に中国に進出。2020年の販売高は70万リットル、昨年は120万リットルに達した。今年の目標は当初、200万リットルに設定していたが、今となっては中国市場の先行きは見通せない状況になっている。

同社のCEOを務めるMarius Horbačauskas氏は「お客様は私達を愛してくれます。だから私たちも彼らに愛を伝えないといけません。この愛は私たちの商品に表れているのです」と語る。

もし台湾の消費者がSNS(交流サイト)や各レビューサイトで同社のビールに対する感想をこぞって投稿してくれれば「大きな励みになります」とHorbačauskas氏。そうなれば、台湾市場に対し「何か特別なこと」をしようと社内でより活発に考える契機にもなるのだと話した。

(陳韻聿/編集:名切千絵)

私たちはあなたのプライバシーを大切にします。
当ウェブサイトは関連技術を使用し、より良い閲覧体験を提供すると同時に、ユーザーの個人情報を尊重しています。中央社のプライバシーポリシーについてはこちらをご覧ください。このウインドウを閉じると、上記の規範に同意したとみなされます。